2010年12月8日水曜日

タニストロフェウス Tanystropheus





イラスト・ヤマモト
ヤマモト生物模型))


Tanystropheus
longobardicus
三畳紀中期~後期
イタリア ドイツ

一見、プレシオサウルスやエラスモサウルスのような首長竜の仲間に見えますが、プロラケルタ類に属しプレシオサウルス類とは系統的に近縁ではありません。全長の半分以上が首というプロポーションですが、首の骨の数は10個しかなく、それほどの柔軟性は無かったと考えられます。以前は海辺の岩場から、首を釣竿のように伸ばし、海中の魚等を捕らえる姿が描かれていましたが、近年では水中生活者として後脚や尻尾を推進力に泳ぎ、イカや魚を追っていたとも考えられているようです。今回の全身も水中を泳いでいる姿でヤマモトさんに描いて貰いました。
















(イラスト・ふらぎ)

"Tanystropheus longobardicus (Reptilia, Protorosauria): re-interpretations of the anatomy based on new specimens from the Middle Triassic of Besano (Lombardy, Northern Italy)"
Nosotti, Stefania, 2007,
に掲載されていた詳細な頭骨復元図を元に描いた頭部です。
もっとトカゲっぽい顔かと思っていたのですが、骨格図を見ると結構個性的な顔で驚きました。また、口の前方と後方で歯の形状が違うのも面白いのです。前方は首長竜のような細長い歯ですが、後方は長さは前方の歯ほどなく、咬頭が3つある、真ん中が大きいアディダスのマークのような形状です。
このイラストでは、上下の歯が綺麗に交差する前方の歯は閉口時でも露出し、後方の歯は現生のトカゲと同じような閉口時には唇で隠れ露出しない表現にしました。

主な参考資料
・"Tanystropheus longobardicus (Reptilia, Protorosauria): re-interpretations of the anatomy based on new specimens from the Middle Triassic of Besano (Lombardy, Northern Italy)"
Nosotti, Stefania, 2007,
・"A NEW SPECIMEN OF TANYSTROPHEUS (REPTILIA PROTOROSAURIA) FROM THE. MIDDLE TRIASSIC OF SWITZERLAND AND THE ECOLOGY OF THE GENUS." SILVIO RENESTO.
・「Dinosaurs of Italy」Cristiano Dal Sasso
・「恐竜大図鑑」デーヴィッド・ランバート、その他

(文:ふらぎ、イラスト:ヤマモト・ふらぎ)

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