2013年3月6日水曜日

バシロサウルス Basilosaurus

 
Basilosaurus cetoides
バシロサウルス ケトイデス

全長 約17m
 北米(ケトイデス以外の種は、エジプト、イギリス等)
始新世(約4000万年~3400万年前)

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現在のクジラ類の先祖の系統と言われるムカシクジラ類の一種。学名には「サウルス」とありますが、これは最初の化石の発見時に爬虫類の一種とされ、それに基づき「トカゲの王」という意味で命名されたからです。

一番の特徴は長い胴体です。ですが、さらに詳細に見ると様々な部分が現在の鯨と違います。その一つが、退化し小さくはなっていますが、後ろ足の骨が残っている事。この骨の大きさから、まだ後足が外見からも見えていた可能性があります。また、頭部にも違いがあります。歯は、口の前半部では鋭い牙状、後半部では山型状という違う形状の歯を持っています。これは哺乳類の特徴ですが(異歯性)、進化したハクジラでは、歯の形の違いは無くなります。さらに頭部も現生の鯨とは違う形をしています。現生の鯨の中にはハクジラとヒゲクジラの2つに大きく分けられますが、その2つが現れるのはバシロサウルスの後になります。

今回のイラストはオーソドックスなスタイルで描いていますが、口の歯の露出に関しては、現生のハクジラを参考に、あまり歯が外に見えない表現にしています。歯がはっきり見えている表現もありますが、それでは口を閉じた時に、しっかり唇を閉じる事が出来ません。これについては、こちらのMarkus Buhler氏のドルドン(バシロサウルス科のクジラ。頭骨形状もバシロサウルスに似ています)についてのイラストが判り易いです(上が歯が露出した表現。下が歯が見えない、現生クジラに近い表現)。
また、今回はケトイデス種の骨格や資料を基に描いていますが、より標本が多く発見されているのはイシス種で、全長もより大きく20mを越えると推測されています。

バシロサウルスの全身骨格の展示は、世界的にもあまり多くは無いようですが、その中の一つが東京・国立科学博物館にあります。今回のイラストも顔の部分などは、科博の展示を参考に描きました。














バシロサウルス全身骨格
(東京・国立科学博物館にて2013年撮影)


主な参考資料
「RETURN TO THE SEA」 Annalisa Berta
「水辺で起きた大進化」 カール・ジンマー
「新版 絶滅哺乳類図鑑」
Explore Our Collections ”Basilosaurus"
   Smithsonian National museum of natural history

(イラスト・文:ふらぎ

 (恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)

2 件のコメント:

  1. よくBasiloと混同されているBasilioです(笑)

    後肢が結構しっかりしているというので、指を付けたりしているような復元をかつて見た覚えがあるんですが(ソースが思い出せない)、ここでは鰭として、という解釈なんですね^^

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  2. そのハンドルで古生物クラスタって紛らわしいですよ(笑)

    後肢は、前肢がヒレになっているので、それに合わせて、って感じですね。前と後で形状が違うと、ちょっと気持ち悪いかも。
    クジラの進化の過程で、四肢が完全なヒレ状になるタイミングも気になりますね。プロトケトゥス、ロドケトゥス辺りでどういう考察・研究がされているかも調べてみたいです。

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