デスモスチルス
瑞浪市化石博物館用に描いたデスモスチルスです。
足寄化石動物博物館で展示されている、犬塚則久博士による復元骨格を基にして、海底をゆっくり歩いている様子を描きました。
皮下脂肪はかなり厚めにしているので、全体的に丸っこくなっています。
口の周りには太めのヒゲを生やしています。
頭骨の特徴から、デスモスチルスはジュゴンなどの海牛類のように唇の周りに感覚毛(ヒゲ)が密集しており、その感覚毛を使ってエサを探していたという説があり、また、犬塚博士と甲能直樹博士(国立科学博物館)による、貝のような海底に棲む無脊椎動物を食べていたという説から、このような顔になりました。
ヒゲを使ってエサを探す現生のセイウチも参考にしています。
水族館で飼育されているセイウチは立派なヒゲを生やしていますが、野生のセイウチのヒゲは、使っているうちに摩耗して短くなっているそうです。
確かに野生のセイウチの写真を見るとイメージしていたよりかなり短めなので、デスモスチルスのヒゲもそれに合わせて多少短くしました。
ラフの段階で、足寄化石動物博物館の澤村寛館長と学芸員の新村龍也さんのご意見を頂き、姿勢等の参考にしました。有難う御座居ました。
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参考にした資料
・「絶減哺乳類デスモスチルスの復元」(バイオメカニズム 9, 1988)犬塚則久
・「デスモスチルスの復元 その後」(地質ニュース 421, 1989)犬塚則久
・“幻の奇獣”デスモスチルスを知っていますか? -絶滅哺乳類の古生態を復元する- 甲能直樹
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(イラスト・文 meribenni)