2010年6月28日月曜日

カルカロドントサウルス Carcharodontosaurus



Carcharodontosaurus saharicus
白亜紀後期 アフリカ

2010年大阪で開催の大恐竜展で展示されていた
頭骨をトレースして描いています。



















カルカロドントサウルスといえば、これまで恐竜博等でも
展示され、また国立科学博物館で常設展示されている
頭骨が一般的なイメージかと思います>頭骨画像
今回イラストの基にした頭骨とは随分雰囲気が違います
(カルカロドントにはsaharicusとiguidensisの2種が
報告されていますが、頭骨は2つ共にsaharicusという事です)。
カルカロドントとしてだけでなく、同じカルカロドントサウルス科である
ギガノトサウルス、マプサウルスの復元頭骨と比べても、
ちょっと異質な感じがします。
キャプションによれば、こちらの頭骨は一部実物の化石も
使われているという事。確かに表面の複雑なライン等、他の頭骨に
比べると説得力があるような。
という事で、この頭骨を基にイラストを描いてみたのですが、、、
意外に結構普通のカルカロドントサウルス科の顔。
頭骨のゴツゴツ感に惑わされていたかも。

ギガノトサウルス、マプサウルスは全身骨格が復元されている訳ですが、
カルカロドントは頭部のみです。胴体もそこそこ発見されているようですし、
ギガノトやマプも参考に、より精度の高い大型のカルカロドントサウルス科の
復元骨格も見てみたいです。
もちろん、より保存状態の良い化石が見つかるに越したことは無いのですが。



主に参考にした資料
・「大恐竜展・失われた大陸ゴンドワナの支配者(1998年開催)」公式カタログ
・「The Age of Dinosaurs in South America 」Fernando E. Novas
・"New specimen of Giganotosaurus carolinii (Coria & Salgado, 1995), supports it as the largest theropod ever found." Calvo, J.O. and Coria, R.A. (1998)
「Project Exploration」
「肉食の系譜」
また、大恐竜展を一緒に見学したLOKI:さんとの
ディスカッションも非常に参考になりました。
(イラスト・文 ふらぎ)

2010年6月27日日曜日

ニホンハナガメ (オカディア・ニッポニカ) Ocadia nipponica

Ocadia nipponica 
更新世中期・日本
:
 千葉県袖ヶ浦市の清川層から発見されたハナガメ属の一種です。
この時発見された化石は、背甲と腹甲の大部分と頭骨、頚椎、左の前後肢などが保存されていました。
 現生種のハナガメ(Ocadia sinensis)は中国南部~ベトナム北部、台湾等の亜熱帯地域に生息しています。
現生種との違いとして甲羅の形状の他、ニホンハナガメは背甲に年輪がほとんど見られない、口の咬合面が大きい等が挙げられます。
 イラストは、本種の記載論文に載せられた背甲の復元図と、私の実家で飼っている現生種のハナガメを基に描きました。首や前肢には現生種と同じ模様を描いています。
背甲の真ん中のキールは少し強調しすぎたかも知れません。あと、成体のハナガメにしては頭が大きいかな、という気がします。
:
参考にした資料
 平山 廉
・読みもの ナウマンゾウがいた! (神奈川県立生命の星・地球博物館)
 樽 創
・"Ocadia nipponica, a new species of aquatic turtle (Testudines: Testudinoidea: Geoemydidae) from the Middle Pleistocene of Chiba Prefecture, central Japan"
(the Paleontological Research, vol. 11, April 30, 2007)
Ren Hirayama, Naotomo Kaneko, Hiroko Okazaki
(イラスト・文 meribenni)
 

2010年6月17日木曜日

ディアブロケラトプス Diabloceratops eatoni

Diabloceratops eatoni
白亜紀後期(カンパニア期)・北米
:
 アメリカ合衆国ユタ州で発見された、セントロサウルス亜科に属する角竜です。模式標本の頭骨の左半分は大変保存状態が良く、骨に見られる特徴から大人の個体とされています。
フリルの上に大きく目立つ角から、スペイン語で悪魔を意味する"diablo"を冠した名前を付けられました。
 イラストは、Diabloceratopsの記載論文に載せられた頭骨の写真を基に描きました。
角竜の絵を初めて描いたのですが、資料にした頭骨の写真を見て、顔、特に目から先の吻の横幅がとても狭かったのが印象的でした。そういう雰囲気が出せれば良いなと思いながら描いています。
鼻孔の位置が全然分からなかったのでこんな所に描いていますが、どうなんでしょう。
化石で残っている角はもう少し短いのですが、イラストでは角やくちばしなどの角質の部分は長くしました。
角竜の口がどれだけ裂けているか、頬の有無など全く分からない事も多くて、やっぱり恐竜は哺乳類とは違う難しさがあるなあと再認識させられました。
 佐賀県立・宇宙科学館にて7月17日~9月12日まで開催される「恐竜展~トリケラトプスの世界~」で、このDiabloceratopsの復元された頭骨が展示されます。
日本では初公開だそうなので、夏に佐賀近辺に行かれる方は観に行ってみては如何でしょうか?
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参考にした資料
・"New basal Centrosaurinae Ceratopsian skulls from the Wahweap formation (middle Campanian), Grand Staircase - Escalante National Monument, southern Utah"
(New Perspectives on Horned Dinosaurs: The Royal Tyrell MuseumCeratopsian Symposium, Bloomington, Indiana University Press, p. 117 – 140.)
James I. Kirkland, Donald D. De Blieux
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(文・イラスト meribenni)