2011年6月1日水曜日

シモスクス クラルキ Simosuchus clarki


Simosuchus clarki
シモスクス クラルキ

発見地:マダガスカル
全長: 約63cm
時代:白亜紀後期
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吻部の短い顔と、特徴的な歯を持つワニです。歯は一般的なワニの様な鋭い円錐形でなく、植物食恐竜の歯に似た形状で、そのため植物食の可能性が示唆されています。その特徴的な頭部から復元画も多く描かれていそうですが、意外に全身のイラストはそれほど多くありませんでした。どうやら頭骨は非常に状態の良い化石が発見されているものの、胴体に関しては一部(上半身のみ?)しか報告or発表されておらず、それが復元を試みる際のネックになっていたようです。私も2007年にフィールド博物館で頭骨を見て以来造りたいネタだったのですが、やはり胴体部の判断が出来ず見送らざるをえない状態。少数ある全身が描かれたものも、胴体は一般的なワニと同様なもので想像されていました。ところが、2009年のSVP・古脊椎動物学会で全身を表した発表があり、頭部だけでなく、長めの四肢に短い尻尾という胴体も特徴的な姿にとても驚いたものです。学会発表とはいえ、まだ研究の途中で論文としての正式な発表では無いという事で、その姿を造形やイラストにする事は控えていましたが、2010年に詳細な報告が出版。非常に状態の良い全身の化石と共に、骨格図と復元模型も発表されました。それだけ良いビジュアルが提示されていれば、今さら私がイラストを描く必要も無いのですが、そこはやはり自分でも描いてみたくなったのです。
















(シモスクス頭骨 2007年シカゴ・フィールド博物館にて撮影)



主な参考資料
・Simosuchus clarki (Crocodyliformes: Notosuchia) from the Late Cretaceous of Madagascar. Society of Vertebrate Paleontology Memoir 10. Journal of Vertebrate Paleontology 30(6, Supplement). D. W. Krause and N. J. Kley (eds.), >SVP公式サイトの記事

・「SuperCroc and the Origin of Crocodiles」( National Geographic)

(文・イラスト ふらぎ
恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures」)