2012年9月14日金曜日

マンテッリサウルス&イグアノドン&ムッタブラサウルス



マンテッリサウルス・
アテルフィエルデンシス
 Mantellisaurus atherfieldensis
(もしくはドロドン・セエリィ Dollodon seelyi



 イグアノドン・ベルニサルテンシス
 Iguanodon bernissartensis




ムッタブラサウルス・
ランドグニ
Muttaburrasaurus langdoni




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  前回に続き、デフォルメ&シンプルに恐竜を描きわけシリーズです。

・マンテッリサウルス
 私の子供の頃はイグアノドンの一種、イグアノドン・マンテリとされていました。その後、イグアノドン・アテルフィエルデンシスに学名が変わり、現在ではイグアノドンとは属の違うマンテリサウルス、もしくはドロドンという2つの説が出ているようです。次に紹介するイグアノドン・ベルニサルテンシスに比べ、小型で華奢、前肢が短めです。

・イグアノドン・ベルニサルテンシス
いわゆる一般的な「イグアノドン」。ギデオン・マンテルにより報告された最初のイグアノドンから約50年後にベルギー・ベルニサール炭鉱より発見された化石に命名された種です。ほぼ完全な骨格が数多く発見されており、その後のイグアノドンと言えばこのベルニサルテンシスを指すようになっただけでなく、恐竜研究全体にも大きな影響を与えた標本です。

・ムッタブラサウルス
オーストラリアで発見された大型鳥脚類。イグアノドンと近縁、という説もありますが、一方でもっと原始的な鳥脚類から、イグアノドンとは別の系統として大型化したもの、という説もあります。イグアノドンに近縁とする場合、前指の第一指(人間でいう親指)がスパイク状に表現される事が多いですが、今回はイグアノドンとは離れた種類である説を基に、スパイクは無い表現にしています。その他では、頭部のふくらみが外見的にイグアノドンと大きく違う所です。
 以前は、イグアノドンの一種にも同じような頭骨のふくらみをもつ1種・イグアノドン・オリエンタリスIguanodon orientalisが報告されていましたが、現在はイグアノドンとは近縁ですが別属のアルティリヌス・クルザノヴィ (Altirhinus kurzanovi )とされているようです。














マンテッリサウルス骨格
(展示キャプションでは、イグアノドン・アテルフィエルデンシス
ベルギー王立自然科学博物館にて2012年撮影)















 イグアノドン・ベルニサルテンシス骨格
(ガラスケースの中は発掘・研究当初の旧復元、手前は新復元
ベルギー王立自然科学博物館にて2012年撮影)














ムッタブラサウルス骨格
(福井研立恐竜博物館にて2009年撮影)

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 主な参考資料

・福井県立恐竜博物館・展示解説書

・「BERNISSART DINOSAURS」(Pascal Goderfroit編)

"New Basal Iguanodonts from the Cedar Mountain Formation of Utah and the Evolution of Thumb-Spiked Dinosaurs"  Andrew T. McDonald, James I. Kirkland, Donald D. DeBlieux, Scott K. Madsen,  Jennifer Cavin,  Andrew R. C. Milner,  and Lukas Panzarin (2010).


 (イラスト:ふらぎ  文:ふらぎ)                                       

 (恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)

2012年9月3日月曜日

アパトサウルス&ディプロドクス






















アパトサウルス
全長約23m

ディプロドクス
全長約26m

北米
ジュラ紀後期



デフォルメ寄り&シンプルな表現で、恐竜をどう描き分けられるか、という主旨で試しに描いたイラストです。この2つは竜脚類の中でも同じディプロドクス類に属する近縁の恐竜で良く似ていますが、骨格を比べた時、パッと見で気が付くのは体格の差かと思います。アパトに比べ、ディプロドクスは華奢で細身な印象なので、その部分の違いを描き分けるポイントにしました。全長ではアパトのほうが短いのですが、体格の違い、またディプロのほうが尻尾が長いため、実際に骨格を目の前にするとアパトのほうが何となく大きく感じます。

ディプロドクスの背中から尻尾に小さなトゲがありますが、これはディプロドクスの化石で、尻尾付近から棘の印象化石が見つかった、という報告を元にしているためです。ですが、これに関してはその後、より詳細は報告・論文を見つかられなかったので、現在研究としてどう扱われているか、確認出来ませんでした。また、頭部についても、頭骨を元に描き分けてみました、(アパトのほうが、より馬面の感じがします)。














 アパトサウルス(アメリカ自然史博物館にて2011年撮影)
アパトサウルスは、非常に良い保存状態の実物化石を組み立てた
全身骨格が 東京・国立科学博物館に展示。














ディプロドクス(ベルリン自然史博物館にて2011年撮影)
日本国内では、東海大学自然史博物館に常設展示されています。



主な参考資料

・「世界最大の恐竜博2002」 図録

・「The Dinosauria」(University of California Press)

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 (イラスト:ふらぎ  文:ふらぎ)                                       
 (恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)