バトラコトムス クプフェルゼッレンシス
最大5~6m
ドイツ
三畳紀中期
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バトラコトムスは、恐竜ではなく、クルロタルシ類・プレストスクス科に属します。
クルロタルシ類は、ワニの仲間を含む動物群で、このバトラコトムスが属するプレストスクス科は、ワニの先祖に近い系統になります。
プレストスクス科で代表的なのはブラジルで発見されたプレストスクスで、ニューヨークのアメリカ自然史博物館等に全身骨格も展示されており、ネット上でもその画像を多く見る事が出来ます。一方で、このバトラコトムスは複数の個体の標本が見つかっており、そこからほぼ全身の骨格が判っています。プレストスクス科の中でも大型に部類で、ドイツ・シュトゥットガルドの古生物博物館には、その全身復元骨格が展示されています。この展示骨格には、背中の装甲板も再現されており、非常に見応えのあるものでした。今回も、その展示骨格を元にイラストを描いています。
(ドイツ・シュトゥットガルド古生物博物館にて2011年撮影)
こちらはプレストスクス
(アメリカ自然史博物館にて2011年撮影)
大型肉食恐竜を彷彿させる頭部に、四足歩行ながら、直立に近い姿に復元されるこのプレストスクス科の仲間は、独特の魅力とカッコ良さがあり、古生物好きの中でもファンが多いのでないでしょうか?
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主な参考資料
・"POSTCRANIAL ANATOMY OF THE RAUISUCHIAN ARCHOSAUR BATRACHOTOMUS
KUPFERZELLENSIS"
DAVID J. GOWE and RAINER R. SCHOCH (2009)
・"The cranial and mandibular osteology of a new rauisuchian archosaur
from the Middle Triassic ofsouthern Germany"
David J. Gower (1999)
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(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)