
2010年5月2日日曜日
アエルログナトゥス Aelurognathus parringtoni

2010年4月26日月曜日
アンダルガロルニス Andalgalornis
Andalgalornis steulleti
頭高 約1.3m
他のフォルスラコス類では確認出来ていませんが、アンダルガロルニスの後肢の第2指(接地している3本の指の一番内側)は、カーブの強い鍵爪形状になっているのが面白いです。そういえば、フォロラコス(フォルスラコスに非ず)っていたよな、と思って調べたところ、フォロラコス属は現在はアンダルガロルニス属等に含まれて、無効名になってしまっているようです。以前、『SF巨大生物の島』版フォロラコスのフィギュア商品原型を製作した事があるので、ちょっと残念だったり。
シカゴ・フィールド博物館にて撮影。
・Alvarenga, Herculano M. F. & Hofling, Elizabeth (2003): Systematic revision of the Phorusrhacidae (Aves: Ralliformes). Papeis Avulsos de Zoologia 43(4): 55-91
・「Extinct Animals An Encyclopedia of Species that Have Disappeared during Human History」Ross Piper
・「Magnificent Mihirungs」
オーストラリアの絶滅した大型の飛べない鳥・ドロモルニスに関する本。ドロモルニス類以外の絶滅した大型地上性鳥類に関する記述もあり、参考になります。
・「南米に君臨した巨大肉食鳥」Larry G.Marshal
別冊日経サイエンス「地球を支配した恐竜と巨大生物たち」収録
2010年4月18日日曜日
ニホングリソン (オリエンシクティス) Oriensictis nipponica


上が現生種、下がニホングリソンです。よく分からないまま描いていたので、今見ると現生種のイラストも歯はおかしいのですが、ツッコミは下のニホングリソンのみで。
1)ニホングリソンの下顎p4は単一咬頭。
2)上顎犬歯の溝は下顎犬歯の突出部と対応関係にあるので、口を閉じた状態では全く見えない。
3)上顎m1は下顎m1m2の間くらいに被さる様な対応関係。下顎歯列が少し長いかなぁ。
あとは、歯の上下の対応は互い違いなのでその辺りに気を付けてみて下さい、との事でした。
手直ししたラフを見て頂き、概ね良しとされました。
追加のアドバイスとして、
1)ニホングリソンは肉食傾向が強く、そういった種の犬歯歯根は鼻腔の上の方まで達しているので、その質感が出せると良い。
2)肉食傾向が強いので側頭筋が発達していたはず、恐らく脳頭蓋の天辺に矢状稜があると良い。
3)普通の食肉目(グリソン含む)の下顎犬歯は、獲物に引っ掛けて逃がさない様に機能する為フック状に曲がっていて、上顎犬歯は割合真っ直ぐ。しかし、ニホングリソンの下顎犬歯は上顎犬歯の溝とのハサミ的な役割を備えているので、普通のグリソンほどフックがきつくない。
そのアドバイスを意識しつつイラストを完成させました。
今回の鉛筆描きのイラストを描き終わってから、後頭部が短いかも?と思い、お訊きしてみた所やっぱり少し短いそうです。
実際に研究者の方に見て頂きながら古生物を描いたのは初めてでしたが、自分では分かっていたつもりの事でも、実は全然理解出来ていなかったり、何が分かっていないのかも分かっていない状態だったんだなぁと深く感じました。また、一見それらしく描く事は出来るかも知れませんが、研究者の方無しにはしっかりとした復元画を描く事は出来ないという事も改めて理解させられました。
最後に、素人の私にもとても分かりやすい言葉や表現でアドバイスして下さった荻野慎太郎博士に、この場を借りて感謝申し上げます。有り難う御座居ました。
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参考にした資料
・"New middle Pleistocene Galictini (Mustelidae, Carnivora) from the Matsugae cave deposits, northern Kyushu, West Japan"(Paleontlogical Research, Vol. 12, June 30, 2008)
Shintaro Ogino, Hiroyuki Otsuka
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(イラスト・文 meribenni)
2010年4月13日火曜日
バルボウロフェリス Barbourofelis sp.

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2010年4月11日日曜日
トリケラトプス Triceratops

トリケラトプス Triceratops
白亜紀後期(マーストリヒト期)
北米
:
先日、ディプロドクスの頭骨の形が成長過程で変化する、という発表がありましたが、ディプロドクス以外の恐竜・古生物でもこうした成長過程での形質の変化、Ontogeny個体発生と呼ばれる分野のの研究・発表は数多くあります。その中でも、変化の様子が判りやすく面白い例の一つと思われるのが、トリケラトプスの頭骨の研究です。その頭骨の形の変化は、"Major cranial changes during Triceratops ontogeny"の中の頭骨の画像を見ていただければ一目瞭然ですが、今回は簡単にそれの復元版を描いてみました。左から、赤ちゃん、幼体、成体です。実際には、さらに細かく成長段階が研究されていますし、もちろん雌雄差・個体差もあると思われます。
頭骨全体のバランスも見た目どおりに違いがありますが、その他には、眼の上の2本の角の向き、フリルの周りの棘の形状の変化がポイントとして挙げられています。フリルの周囲の棘は、赤ん坊~子供の間は鋭く、成長するほど目立たなくなるようです。また、角竜の角はステゴサウルスの尻尾のスパイクに比べると骨密度それほど高くないそうで、成体のトリケラの角は武器としての目的よりも、同種間でのアピールのほうが主だったのでは、と最近では考えられているようです。と言っても、武器として全く機能しないほど脆い、という訳でもないでしょうし、いざとなれば武器としてもその役割をそれなりに果たせたのでは、と思います。
参考資料
・John R. Horner and Mark B. Goodwin
"Major cranial changes during Triceratops ontogeny"
・Mark B. Goodwin, William A. Clemens, John R. Horner and Kevin Padian
"The Smallest Known Triceratops Skull: New Observations on Ceratopsid Cranial Anatomy and Ontogeny"
・Science Daily:Smallest Triceratops Skull Ever Found Provides Clues To Dinosaur's Growth
・The horned dinosaurs
・「Bizarre Dinosaur」
幼体から成体までの頭骨が並んだ画像があります。
・「AL」
主人公のトリケラトプスは、現在の研究を反映させたデザインになっています。
(文・イラスト ふらぎ)
2010年4月5日月曜日
ボロファグス Borophagus sp.

プロトプテルム科 Plotopteridae
プロトプテルム科 Plotopteridae
漸新世・北米太平洋岸、日本
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日本で標本が多数発見されているので、国内でも骨格復元標本を見る機会が多い古生物です。
以前、プロトプテルムに関しての発表を聞く機会があり、それ以来興味が湧いてきました。今回のイラストは、千葉県我孫子市・鳥の博物館に展示されている全身骨格を元に描いています。属・種小名までは判りませんでした。

我孫子市・鳥の博物館の展示
参考資料
・「鳥の骨探」P318-321
・「みんなが知りたいペンギンの秘密」
・「ペンギンのルーツをさぐる」(我孫子市・鳥の博物館)
また、古環境の考慮については友人の某古生物研究者から指摘を、現生の潜水・遊泳性の海鳥については、動物を得意とされているイラストレーター
いずもり・ようさんからアドバイスを頂きました。
(イラスト・文 ふらぎ)
*追記
2011年に瑞浪市化石博物館特別展用にプロトプテルム類のコペプテリクスの復元模型を担当しました。(ふらぎ)
