2010年7月30日金曜日

トリケラトプス(番外編)

ちょっとイラストのほうに手が回っておりませんので、
その穴埋めに、、、















造形作品の新作・トリケラトプスの記事
私のブログに更新しましたので、宜しくです。

2010年6月28日月曜日

カルカロドントサウルス Carcharodontosaurus



Carcharodontosaurus saharicus
白亜紀後期 アフリカ

2010年大阪で開催の大恐竜展で展示されていた
頭骨をトレースして描いています。



















カルカロドントサウルスといえば、これまで恐竜博等でも
展示され、また国立科学博物館で常設展示されている
頭骨が一般的なイメージかと思います>頭骨画像
今回イラストの基にした頭骨とは随分雰囲気が違います
(カルカロドントにはsaharicusとiguidensisの2種が
報告されていますが、頭骨は2つ共にsaharicusという事です)。
カルカロドントとしてだけでなく、同じカルカロドントサウルス科である
ギガノトサウルス、マプサウルスの復元頭骨と比べても、
ちょっと異質な感じがします。
キャプションによれば、こちらの頭骨は一部実物の化石も
使われているという事。確かに表面の複雑なライン等、他の頭骨に
比べると説得力があるような。
という事で、この頭骨を基にイラストを描いてみたのですが、、、
意外に結構普通のカルカロドントサウルス科の顔。
頭骨のゴツゴツ感に惑わされていたかも。

ギガノトサウルス、マプサウルスは全身骨格が復元されている訳ですが、
カルカロドントは頭部のみです。胴体もそこそこ発見されているようですし、
ギガノトやマプも参考に、より精度の高い大型のカルカロドントサウルス科の
復元骨格も見てみたいです。
もちろん、より保存状態の良い化石が見つかるに越したことは無いのですが。



主に参考にした資料
・「大恐竜展・失われた大陸ゴンドワナの支配者(1998年開催)」公式カタログ
・「The Age of Dinosaurs in South America 」Fernando E. Novas
・"New specimen of Giganotosaurus carolinii (Coria & Salgado, 1995), supports it as the largest theropod ever found." Calvo, J.O. and Coria, R.A. (1998)
「Project Exploration」
「肉食の系譜」
また、大恐竜展を一緒に見学したLOKI:さんとの
ディスカッションも非常に参考になりました。
(イラスト・文 ふらぎ)

2010年6月27日日曜日

ニホンハナガメ (オカディア・ニッポニカ) Ocadia nipponica

Ocadia nipponica 
更新世中期・日本
:
 千葉県袖ヶ浦市の清川層から発見されたハナガメ属の一種です。
この時発見された化石は、背甲と腹甲の大部分と頭骨、頚椎、左の前後肢などが保存されていました。
 現生種のハナガメ(Ocadia sinensis)は中国南部~ベトナム北部、台湾等の亜熱帯地域に生息しています。
現生種との違いとして甲羅の形状の他、ニホンハナガメは背甲に年輪がほとんど見られない、口の咬合面が大きい等が挙げられます。
 イラストは、本種の記載論文に載せられた背甲の復元図と、私の実家で飼っている現生種のハナガメを基に描きました。首や前肢には現生種と同じ模様を描いています。
背甲の真ん中のキールは少し強調しすぎたかも知れません。あと、成体のハナガメにしては頭が大きいかな、という気がします。
:
参考にした資料
 平山 廉
・読みもの ナウマンゾウがいた! (神奈川県立生命の星・地球博物館)
 樽 創
・"Ocadia nipponica, a new species of aquatic turtle (Testudines: Testudinoidea: Geoemydidae) from the Middle Pleistocene of Chiba Prefecture, central Japan"
(the Paleontological Research, vol. 11, April 30, 2007)
Ren Hirayama, Naotomo Kaneko, Hiroko Okazaki
(イラスト・文 meribenni)
 

2010年6月17日木曜日

ディアブロケラトプス Diabloceratops eatoni

Diabloceratops eatoni
白亜紀後期(カンパニア期)・北米
:
 アメリカ合衆国ユタ州で発見された、セントロサウルス亜科に属する角竜です。模式標本の頭骨の左半分は大変保存状態が良く、骨に見られる特徴から大人の個体とされています。
フリルの上に大きく目立つ角から、スペイン語で悪魔を意味する"diablo"を冠した名前を付けられました。
 イラストは、Diabloceratopsの記載論文に載せられた頭骨の写真を基に描きました。
角竜の絵を初めて描いたのですが、資料にした頭骨の写真を見て、顔、特に目から先の吻の横幅がとても狭かったのが印象的でした。そういう雰囲気が出せれば良いなと思いながら描いています。
鼻孔の位置が全然分からなかったのでこんな所に描いていますが、どうなんでしょう。
化石で残っている角はもう少し短いのですが、イラストでは角やくちばしなどの角質の部分は長くしました。
角竜の口がどれだけ裂けているか、頬の有無など全く分からない事も多くて、やっぱり恐竜は哺乳類とは違う難しさがあるなあと再認識させられました。
 佐賀県立・宇宙科学館にて7月17日~9月12日まで開催される「恐竜展~トリケラトプスの世界~」で、このDiabloceratopsの復元された頭骨が展示されます。
日本では初公開だそうなので、夏に佐賀近辺に行かれる方は観に行ってみては如何でしょうか?
:
参考にした資料
・"New basal Centrosaurinae Ceratopsian skulls from the Wahweap formation (middle Campanian), Grand Staircase - Escalante National Monument, southern Utah"
(New Perspectives on Horned Dinosaurs: The Royal Tyrell MuseumCeratopsian Symposium, Bloomington, Indiana University Press, p. 117 – 140.)
James I. Kirkland, Donald D. De Blieux
:
(文・イラスト meribenni)

2010年5月28日金曜日

カンディアケルヴス Candiacervus sp.

Candiacervus sp.
更新世~完新世・クレタ島
:
 クレタ島で発見された固有のシカ・Candiacervus属です。これまでに数種類が知られています。
クレタ島には大型の捕食者がいなかったので、素早く逃げる必要が無い為にこのシカの脚は短くなりました。
安定性が増した体は、山地の環境で生活するのに有利だった様です。
 Candiacervus属最小のropalophorus種以外の種は、気候が温暖化した際に海水面の上昇などによる生息環境の変化を受けて絶滅していったとされます。しかし生き延びたropalophorus種も、恐らくヒトとの接触により絶滅した様です。
 今回のイラストは、ギリシャのMuseum of Palaeontology and Geology of University of Athensに展示する為に作られた復元骨格を基に描きました。
この復元された骨格はCandiacervus属の二番目に小さな種類で、同じ場所・地層で発見された複数のオスの骨と、三種類ある角のタイプの内一つを組み合わせて作られたそうです。
描いた後で、膝を伸ばしすぎたせいで腰が少し高くなっているのがおかしいなと気付きました。また、少し資料を探していたら、このシカの角は先の方が薄く平たかったらしい事が書いてあり、この絵はそこを間違えているのが一番問題かな、という感じです。
:
参考にした資料
・"The mounting of a skelton of the fossil species Candiacervus sp. Ⅱ from Liko Cave, Crete, Greece"
(Insular Vertebrate Evolution vol. 12, p.337~346, 2005)
Alexandra Van Der Geer, John De Vos, George Lyras & Michael Dermitzakis
・"Relative growth of the Metapodals in a Juvenile island deer:Candiacervus (Mammalia, Cervidae) from the Pleistocene of Crete"
(Hellenic Journal of Geosciences, vol. 41, p.119-125)
Alexandra Van Der Geer, Michael Dermitzakis & John De Vos
・"Pleistocene Deer Fauna in Crete: Its Adaptive Radiation and Extinction"
John De Vos
(日本熱帯生態学会誌 vo.1, 2000, p.125~134)
(文・イラスト meribenni)
 

2010年5月18日火曜日

デスモスチルス Desmostylus sp.

Desmostylus sp.
中新世・北太平洋沿岸
:
 日本を代表する絶滅哺乳類で、現生に子孫を残さず絶えた束柱目に属します。円柱を数本束ねた様な形の非常に特徴的な臼歯を持ち、それが束柱目という名前の由来になっています。

 犬塚則久博士による復元骨格を基にした図(上)と、ドムニング博士による復元骨格を基にした図(下)の2点を描きました。
 犬塚復元は、四肢が体幹から横に張り出した側方型の体型なのに対し、ドムニング復元は四肢が体の下に伸びる下方型の体型に復元されています。
ドムニング復元のイラストを見た知人に指摘された事の中で、「図のように肘を張り出させない状態にすると、指先が外側を向く」というのが面白いなと感じました。

 デスモスチルスの復元といえばすぐに犬塚復元を思い浮かべますが、一般的な哺乳類然とした雰囲気のドムニング復元骨格も一度は見てみたいです。日本には無い様なのでなかなか難しいかもしれませんが。
:
参考にした資料
・「絶減哺乳類デスモスチルスの復元」(バイオメカニズム 9, 1988)犬塚則久
・「デスモスチルスの復元 その後」(地質ニュース 421, 1989)犬塚則久
・「絶滅した日本の巨獣」(築地書館, 1989)井尻正二、犬塚則久
・「生体力学モデルと機械モデルによる絶滅哺乳類デスモスチルスの歩行復元」(バイオメカニズム 15, 1999)山崎信寿, 梅田昌弘, 池内康
:
(イラスト・文 meribenni)

2010年5月17日月曜日

マストドンサウルス Mastodonsaurus

マストドンサウルス
Mastodonsaurus
三畳紀前期~後期
全長 最大6m



大型の絶滅両生類です。
以前は頭が全身の1/3を占めるような特異なプロポーションで復元されていましたが、現在では、その後に発見された標本等を元に、それほど頭の比率は大きく無かったとされています。上顎の先に開いている穴のうち、前の2つは閉口時に下顎の先端近くの牙が収まっていた、と考えられています。

化石両生類は、現生の両生類を参考に比較的凹凸の無い、滑らかな皮膚で表現される事が多いのですが、マストドンサウルスを含む分椎類の仲間には背中に装甲板のような皮骨が発見されているものもあり、また系統的には現生の両生類ともそれほど近いわけでも無い事を考慮すると、ゴツゴツとした体表だった可能性も考えられるのでは、と思い、今回のイラストもそのように表現してみました。また前後肢の爪は無い表現にしています。
分椎類の上顎表面にははっきりとした溝が認められる事があり、これは何らかの機能を持っていたと思われます。分椎の復元の際には、この溝をどう捉え表現するかもポイントの一つになるかと。

「古脊椎動物図鑑」のマストドンサウルスの項には、「日本にこの類の化石がまだ発見されていないのはさびしい」という著者・鹿間時夫氏のコメントがありますが、その約30年後には日本でも化石が発見されました。なんだか、ちょっと良い話です。

参考資料
・"REVISION OF THE TYPE MATERIAL AND NOMENCLATURE OF MASTODONSAURUS GIGANTEUS (JAEGER) (TEMNOSPONDYLI) FROM THE MIDDLE TRIASSIC OF GERMANY"MARKUS MOSER and RAINER SCHOCH
「The RISE of AMPHIBIANS」
「古脊椎動物図鑑」
「両生類の進化」
「ドラえもんのびっくり古代モンスター」
ドラえもん関連書という事で児童書として扱われる事が多いですが、
古生物本としては非常に情報量の多い内容になっています。

Tyler Keillor "Saharastega moradiensis"

追記(2011年9月11日)
日本で最初に発見された分椎類の論文が発表されました。
"The first temnospondyl amphibian from Japan"
Yasuhisa Nakajima , Rainer R. Schoch

(イラスト・文 ふらぎ)
恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures」)