Hesperornis
北米
全長 最大 1.8m
白亜紀後期
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恐竜が繁栄した中生代・白亜紀後期の、しかも歯のある鳥類としてイクチオルニスと共に古くから知られ、古生物図鑑の恐竜以外の常連の一つと言って良い化石鳥類です。翼は退化し、水かきのある後肢で水中に潜り魚等を捕らえる生活をしていたと考えられています。
前肢(翼)については、ヘスペロルニスに関しては上腕のみしか見つかっておらず、肘から先は確認されていません。恐らく肘から先は退化し、無くなってしまったと推測されています。今回のイラストではそれを基に前肢は羽毛に埋もれ、翼や腕が外側に露出しない表現にしています。
後肢の水かきは、指の間に膜のあるタイプではなく、カイツブリなどに見られる弁足タイプに、加えて後肢の踝までは羽毛に埋もれた(脛の部分が大きく横に飛び出ていない)表現です。
カイツブリ剥製(神奈川県立生命の星・地球博物館にて撮影)
ヘスペロルニス全身骨格
(アメリカ・ペロー自然科学博物館にて2015年撮影)
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主な参考資料・「鳥の形態図鑑」 赤勘兵衛 偕成社
・「鳥の形とくらしⅡ」我孫子市鳥の博物館 企画展ガイド
・「鳥の骨探」 NTS
・「跗蹠骨の形態に基づくHesperornisの水掻きの形状についての検討」
(青塚圭一・日本古生物学会2011年年会)
(イラスト:ふらぎ 文:ふらぎ)
(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures」)