Chalicotherium (Anisodon) grande
カリコテリウム(アニソドン)・グランデ
全長 約2m
ヨーロッパ
中新世中期
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カリコテリウム類は、馬やサイ等を含む奇蹄類の仲間。その中でもこのカリコテリウムは前肢の長い特徴的なプロポーションで話題になる事も多い動物です。
カリコテリウムには複数の種が報告されていますが、一般的に「カリコテリウム」のイメージはH.Zapfe(1979)に掲載されているグランデ種の骨格図がベースにされていると思われます。ですが、その報告には2種類の全身骨格図が紹介されているにも関わらず、引用されるのは必ず同じもの(下画像左側)で、もう片方を引用した復元図等はほぼ見られません。確かに、もう一方の骨格図はどちらかと言えば不自然に見える復元ではあるのですが、、、。
「Chalicotherium grande (BLAINV)」 H.Zapfe(1979)
今回は、基本的には一般的な骨格図をベースに、もう一方の骨格図や、その他の知見を元に若干修正した表現にしています。例えば、一般的な骨格図では前肢の指が「前へ倣え」状態で接地していますが、今回のイラストでは他の哺乳類と同じ手の甲が前を向く表現です。
また、このカリコテリウム属の代表と言っていいグランデ種ですが、最近の研究ではカリコテリウムではなくアニソドン属とする説が有力のようです。つまり、これまでカリコテリウムとしてイメージされていた姿はアニソドンのもので、真にカリコテリウムとなる動物は、また微妙に違った姿をしていたのかも知れません。
カリコテリウム科のモロプス全身骨格
(アメリカ自然史博物館にて2011年撮影)
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主な参考資料
・「Mammoth, Sabertooths, and Hominidis」
・「新版 絶滅哺乳類図鑑」
・「Chalicotherium grande」H.zapfe
・"Feeding ecology of the Chalicotheriidae (Mammalia,Perissodactyla, Ancylopoda).
Results from dental micro- and mesowear analyses"
Ellen Schulz, Julia M. Fahlke, Gildas Merceron,& Thomas M. Kaiser,
・" The early Vallesian vertebrates of Atzelsdorf
(Late Miocene, Austria) 11. Rhinocerotidae and Chalicotheriidae (Perissodactyla)"
Kurt Heissig, 2008
(イラスト・文:ふらぎ)
(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)