2013年3月22日金曜日

アロデスムス Allodesmus

 アロデスムス
Allodesmus.sp

全長 2~2.5m
日本・北米
中期中新世(1500~1000万年前)


日本や北米・カルフォルニアから化石が発見されている、絶滅した鰭脚類のデスマトフォカ科の1種です。。前肢の形状・長さ等、アシカに似た特徴を持っていますが、アシカよりもアザラシに近い系統とされています。

そのアシカに似た前肢が目立ちますが、頭骨も変わった形をしています。現生の鰭脚類に比べ、全体的に高さが低いように見えますし、また鼻孔の部分の形も特殊で、比較的似ているのはゾウアザラシかな、と。今回は、ヒョウアザラシ型(上)とゾウアザラシ型(下)の2種類の頭部で描いてみました。

昔の図鑑等で、鼻の部分がゾウアザラシのように大きく膨らんだアロデスムスの絵を見る事があり不思議に思っていたのですが、今回頭骨の形を見て納得したり。

現在、アロデスムスは複数種が報告されていますが、今回のイラストで主な参考にした国立科学博物館の展示骨格の表記に従い、種は確定しないAllodesmus.spとしました。


 アロデスムス全身骨格(国立科学博物館にて撮影)
 アロデスムスに関しては、Don Basilioさんの記事も是非。


主な参考資料
・「動物大百科2 海生哺乳類」
「RETURN TO THE SEA」 Annalisa Berta
「鰭脚類の起源と進化」. 米澤 隆弘. 甲能 直樹. 長谷川 政美.(統計数理 第56巻)
・「アロデスムスについて」広田清治(地団研専報 第43号)
・" San Diego Natural History Museum web site"

 (イラスト・文:ふらぎ

 (恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)