タラッソクヌス・ナタンス
Thalassocnus
natans
全長:約2m
発見地:ペルー
時代:後期中新世(約600万年前)
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タラッソクヌスは約800~150万年前に生息していたナマケモノの仲間で、水をかくのに適した後肢や水中での姿勢維持に役立つ力強い尾など、水中生活に適した体をしていました。タラッソクヌス属には異なる時代、異なる水棲適応の度合いを示す5種が確認されており、その中のタラッソクヌス・ナタンスは約600万年前のペルーの海成層から発見された種です。
本種の歯化石には線状の傷が多く見られますが、これは本種が食物とともに多量の砂を噛んでいたことを意味します。この事から、本種は海浜に打ち上げられた植物やごく浅い所にある植物を食べていたと考えられています。今回のイラストもその説に基づき、浅瀬にいる姿で描いています。
同じタラッソクヌス属の仲間でも、本種より後の時代に生きていた種ではこの傷がほとんど見られません。彼らはより海中の深い場所の植物を食べていたために、砂をあまり噛まなくて済んだようです。また、骨も新しい時代の種になるほど肥大化して密度も増し、それはより水中生活に適した体を持っていた事を示すと言われています。
(解説文・Kris S)
今回は、タラッソクヌス属の中でも、水棲適応は中程度(?)と考えられているナタンス種を描いてみました。他の種のイラストも描いてみたいのですが、全身骨格についてナタンス種しか資料が見つからず、他の種に関してはほぼ頭骨のみでした。今後、他の種の資料が手に入れば、水棲適応の差も考慮してイラストに出来ればと思っています。
(補足文・ふらぎ)
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(解説文・Kris S)
今回は、タラッソクヌス属の中でも、水棲適応は中程度(?)と考えられているナタンス種を描いてみました。他の種のイラストも描いてみたいのですが、全身骨格についてナタンス種しか資料が見つからず、他の種に関してはほぼ頭骨のみでした。今後、他の種の資料が手に入れば、水棲適応の差も考慮してイラストに出来ればと思っています。
(補足文・ふらぎ)
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主な参考文献
Muizon, C. de; McDonald, H. G. (1995-05-18). "An aquatic sloth from the Pliocene of Peru". Nature (Nature Publishing Group) 375 (6528): 224–227.
Muizon, C. de; McDonald, H. G. (1995-05-18). "An aquatic sloth from the Pliocene of Peru". Nature (Nature Publishing Group) 375 (6528): 224–227.
Amson, E.; Muizon, C. de; Laurin, M.; Argot, C.; Buffrénil, V. de
(2014). "Gradual adaptation of bone structure to aquatic lifestyle in
extinct sloths from Peru". Proceedings of the Royal Society of London,
Series B (Royal Society of London) 281 (1782): 1–6.
Muizon, C. de; McDonald, H. G.; Salas, R.; Urbina, M. (June 2004).
"The evolution of feeding adaptations of the aquatic sloth
Thalassocnus". Journal of Vertebrate Paleontology (Society of Vertebrate Paleontology)
24 (2): 398–410.
(イラスト・ふらぎ、文・Kris S.)