プラティベロドン・グランゲリ
Platybelodon grangeri
大きさ:肩高 約2m
発見地:アフリカ、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ
発見地:アフリカ、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ
時代:新第三紀中新世中期(約1500~1400万年前)
「平らな歯」を意味するプラティベロドンは、その名の通りシャベルのように平たく大きな下あごと歯をもつ奇妙な姿をしていました。上あごは下あごのように平らではなく、ゾウに似た鼻が付いていた可能性があります。今回のイラストもその説に合わせ、幅の狭い細い鼻として描いています。プラティベロドンでは性的二形性が確認されており、オスはより発達した鼻を持っていたようです。また様々な成長段階の化石も見つかっており、未成熟個体はメスに近い姿をしていたようです。
プラティベロドンの化石が見つかる場所は河成層を含んでおり、このことから彼らは川辺や湿地帯に生息していた可能性があります。シャベル状の下あごは湿地帯の土を掘り返すのに使われていたというがある一方で、下あごの歯の先の摩耗状態から、この歯で刈り取った植物を鼻で口に運んで食べていた、という説もあります。
(イラスト・ヤマモト生物模型、文・Kris S.)
(台湾国立自然科学博物館・特別展にて撮影)
主な参考資料
・Osborn, H.F. and Granger, W. 1931. The
shovel−tuskers, Amebelodontinae, of central Asia. American Museum
Novitates 470: 1–12
・Osborn, H.F. and Granger, W. 1932. Platybelodon grangeri, three growth stages, and a new serridentine from Mongolia. American Museum Novitates 537: 1–13.
Wang, S., He, S., and Chen, S. 2011. The Gomphotheriid Mammal Platybelodon from
the Middle Miocene of Linxia Basin, Gansu, China. Acta Palaeontologica Polonica 58 (2): 221-240.
・Lambert, W.D. 1992. The feeding habits of the shovel−tusked gomphotheres: evidence from tusk wear patterns. Paleobiology 18: 132–147.