Metriorhynchus
sp.
大きさ:全長3m
発見地:イギリス、フランス、ドイツ、スイス
時代:ジュラ紀中期~後期(約1億6700万年前~約1億5300万年前)
化石ワニは現在のワニよりも多様な姿をしており、多様な環境に適応して多様な生活をしていました。海生ワニのメトリオリンクスはその一例です。
メトリオリンクスは完全水生のワニです。手足は現生のものに比べると小さく、骨が平らになってヒレ状になっていました。体は流線型で、サメ様のヒレのある尾を持っていました。現生のワニにあるような皮骨板は失われ、素早く泳ぐのに適した体になっていました。
メトリオリンクスの胃の部分からはアンモナイト、べレムナイト、翼竜の骨、魚などが見つかっています。また、メトリオリンクスのものと思われる歯型が残る、首長竜の首の骨も見つかっています。獲物を捕まえて食べることもあれば、大型生物の死骸を漁ることもあったようです。メトリオリンクスは塩類を排出するための腺が発達しており、海水を飲んだり、海水と同じ浸透圧の獲物を大量に食べたりすることができたようです。
メトリオリンクスをはじめとする海生ワニの卵や幼生は、2015年現在見つかっていません。ワニ類に胎生のものが見つかっていないことから、海生ワニは卵生で、陸に上がって産卵をしていたのではないか、という説もあります。
(イラスト・Shu-yu Hsu、文・Kris S.)
今回のイラストは、台湾の作家・ Shu-yu Hsuさんの作品です。
Shu-yu Hsuさんは、学研の図鑑LIVE・恐竜のARアプリ用のパラサウロロフス骨格CG等も担当して貰っています。 (ふらぎ)
今回のイラストは、台湾の作家・ Shu-yu Hsuさんの作品です。
Shu-yu Hsuさんは、学研の図鑑LIVE・恐竜のARアプリ用のパラサウロロフス骨格CG等も担当して貰っています。 (ふらぎ)
復元骨格・ドイツ・チュービンゲン大学古生物博物館にて撮影
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参考文献
Young, M. T., S. L. Brusatte, M. Ruta, and
M. B. Andrade. 2010. The evolution of Metriorhynchoidea (mesoeucrocodylia,
thalattosuchia): an integrated approach using geometric morphometrics, analysis
of disparity, and biomechanics. Zoological
Journal of the Linnean Society, 2010, 158, p. 801–859
Mueller-Töwe IJ (2006) Anatomy, phylogeny,
and palaeoecology of the basal thalattosuchians (Mesoeucrocodylia) from the
Liassic of Central Europe. Unpublished PhD thesis, Universität Mainz, Germany.