2012年1月16日月曜日

コンカベナトル Concavenator


 
Concavenator corcovatus
コンカベナトル コルコバトゥス
全長 約4m
スペイン
白亜紀前期


コンカベナトルは、2010年に発表・記載されたばかりの獣脚類。ギガノトサウルスやアクロカントサウルス等を含むカルカロドントサウルス類の1種と考えられています。そして、その一番の目立つ特徴は、背中の突起です。この突起は、腰の骨の上では逆に低くなり、腰のすぐ後ろの尻尾では再び高くなります。この腰の部分の凹みは、軟組織で覆われているという解釈で、背中の突起から尻尾までをなだらかに繋ぐ表現が多いのですが、今回のイラストでは、敢えてそこを骨の形状のままに描いています。この凹みがそのまま外見に出るのは、ちょっと不自然かとも思いますが。

また、このコンカベナトルで背中の突起以上に重要なのは、前肢の骨の表面に並んでいた1mmほどの小さな突起です。















(Francisco Ortega et al. (2010) )


同じような物は、コンカベナトル以外ではベロキラプトルのような、カルカロドントサウルス類よりもっと鳥に近い獣脚類で見つかっており、羽根の軸の根元であると考えられています。それを元に羽根の原型を思わせる軸が腕から伸びた復元をされる事が多いようです。今回のイラストも、その表現にしています。

イラストについては、プロポーションを全体的にもう少し細目に描き、中型獣脚類の軽快さを表現しても良かったかも知れません。

背中の突起や羽根の跡とも考えられる突起だけでも重要な発見ですが、頭から尻尾の先までほぼ完全な化石が見つかっているため、この先の研究では、また新たな発見があるかも知れない恐竜です。



主な参考資料
・"A bizarre, humped Carcharodontosauria (Theropoda)
from the Lower Cretaceous of Spain"
Francisco Ortega, Fernando Escaso & Jose L.Sanz


(イラスト・文 ふらぎ
(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)