2012年1月6日金曜日

タテネクテス Tatenectes

Tatenectes laramiensis
タテネクテス・ララミエンシス
全長 約3m
北米
ジュラ紀後期


・扁平な胴体を持つ首長竜
2011年に発表・報告された古生物の中で印象的だった物の一つが、このタテネクテスの新標本に関するものでした。タテネクテス自体は1900年にW.C.Knightよる記載から,これまで部分化石しか見つかっていませんでしたが、昨年発表の論文には、胴体部を中心に見つかった新標本と、それを元に復元された骨格図・復元図も掲載されました。その復元の一番の特徴は他の首長竜にくらべ、横に扁平な胴体に復元されていた事です。首長竜は、その姿を「ウミガメの胴体にヘビの首」と例えられる事もありますが、この論文にあるタテネクテスの胴体は、よりウミガメを連想させるものです。素人目には、より水中での安定が良さそうにも見えます。

・首長竜の尾ビレは?
 また、先の論文にある骨格図には、シッポの部分に尾ビレのシルエットも描かれています。首長竜の尾ビレの存在はこれまでも示唆されていましたが、ここ最近、論文も出され、新しく製作された復元図等では、尾ビレのある物も見られます。ただ、この尾ビレの存在がハッキリ確認されている標本は少ないようで、すべての首長竜に尾ビレがあったのか、またその形がどうだったかは、まだこれからの研究や新発見等を待つ必要があるようです。 首長竜に関しては、その他にも泳ぎ方や首の可動域等、様々な部分が研究中で、シンプルなデザインながらイラストや造形製作の際には悩みどころが多い題材でもあります。


主な参考資料

・"A New Skeleton of the Cryptoclidid Plesiosaur Tatenectes laramiensis Reveals a Novel Body Shape Among Plesiosaurs"
F. Robin O'Keefe,* Hallie P. Street, Benjamin C. Wilhelm, Courtney D. Richards and Helen Zhu
Journal of Vertebrate Paleontology 31(2) (2011)

・"NOVEL ANATOMY OF CRYPTOCLIDID PLESIOSAURS WITH COMMENTS ON AXIAL LOCOMOTION."
Benjamin C. Wilhelm (2010)


(イラスト・文 ふらぎ
(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)